MEMENTO MORI - La Danse Macabre (1996)
MEMENTO MORIはCANDLEMASSを脱退した名物巨漢シンガー、メサイア・マーコリンが結成したバンド。音楽的にはほぼほぼCANDLEMASS的なメロディックドゥーム～ダーク様式美路線を継承している。
という認知だったけど、これを書くにあたってメンバーについて確認したところ、このグループは元々HEXENHAUSという80年代からスウェーデンで活動していたスラッシュメタルバンドのシンガーだけ入れ替える形で誕生していたらしい。
3作目となるこのアルバムでは早くもメサイアが脱退している。となると後追いで興味を持つ人も少ないだろう。
ここに後任として加入している新シンガーが、SAVATAGEを更に荘厳にしたようなダーク様式美で「ビクターピュアメタルサンプラー」の中でも精彩を放っていたTAD MOROSEの初代シンガー、クリスチャン・アンドレン。マーク・ボールズ系のマットな声質で太くクリーンに歌い上げることのできる人で、個人的にはTAD MOROSEへの思い入れもあってなかなか好き。（ピュアメタルサンプラーはVol.4くらいまで買ってたので）
この交代は音楽面では特に影響がなかったようで、曲は引き続き旧2作とおおむね同路線。
CANDLEMASS風味を器用にこなす、ソングライター/ギタリストのマイク・ウィードなる人、のちにキング・ダイヤモンドの片腕としてのキャリアが待っている才人なのだけど、リーフ・エドリング（ex.CANDLEMASS）とマッツ・レヴィン（ex.SWEDISH EROTICA～TREAT）らによるアルバム1枚限りのあの最強プロジェクト・ABSTRAKT ALGEBRAのギタリストだというではないですか。これも今回調べるまで知らなかった。
ABSTRAKT ALGEBRAの作曲者としてクレジットされているのはリーフ・エドリングのみながら、ダーク様式美と90年代型の硬質感をあわせもつバッキングの刻みっぷりはまさにあの名盤と同一人物。あちらもCANDLEMASS人脈バンドということでそもそも作風は両者似たところがあるし。
そういうの好きだけどMORGANA LEFAYは声がきたなすぎて苦手、という人がいたら（MORGANA LEFAYは最高）、このアルバムやABSTRAKT ALGEBRAを試してみていただきたい。。