2021/11/05

最近の収穫から

何のテーマも設けずどこにも向かわないただのブログとしたことで、数か月放置しても平気です(いっこ前のリニューアルはつくづく失敗だった)。内容がただの近況報告でも負い目を感じることはない。

ここのところ取り組んでいることといえばもっぱら 1) 歌唱の改善努力、2) アナログ盤購入、3) 昔こだわりなく国内盤で入手してしまったCDの輸入盤買い替え(英語圏の作品に日本語表記やJASRACマークが入り込んでいるのがとにかく嫌なため)の3つ。1はなんの悟りも開けていないのに垂れ流せることはまだなく、2については重大かつ不可避な「盤面クリーニング問題」に関して試行ケースがたまってきたので近日まとめる予定。そして3ほど無駄な自己満足はこの世にないだろうと思う。

「実店舗を渡り歩いて探せばこのくらいの価格で落ちているはず、だがなかなか出くわさない」という品を希望の価格帯で手に入れる最も有効な方法が「ディスクユニオン通販部やHMV中古部門の利用」であったということにようやく気付き、長年寝かせている間に勝手にレア化して高値になっていた不要CDの数々をヤフオクやメルカリで売り上げることによって得た後ろめたくない資金(といっても大昔の散財がそもそもの原資)をフル活用して、ライフワーク的にちびちび集め続けようと思っていた品々を「どうせ買うなら」と猛烈な勢いで買い始めてしまったのがここ1~2か月の話。これは終わりなき物欲ではなくWar to end all warsなのだと言い聞かせながら。
GENESISなんかはほんとに、ヤフオクで3000円とか出さなくても、リアル店舗で「ちぇっATCOか、ブルーラベルか」と残念がらなくても、グッドコンディションなマッドハッターラベルのUK盤が1000円台で買えるから、大手通販はうまく活用すべし。

ということでそんな最近の買い物の一部を意味なくご紹介するだけの回とします。

ジョーイ時代のANTHRAX(+α)

シングルを除くジョーイ・ベラドナ時代のLPとEPがめでたく揃い、これで我が家には旧CD一式、アニバーサリーリマスターCD一式、アナログ一式がすべて集まった。全部違うものだから「カブッて持っている」という感覚すらありません。

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ついでにレア中のレア、リリース当時のプレスはEU盤・ブラジル盤・韓国盤しか存在しない93年の6th「SOUND OF WHITE NOISE」もオークションにてLPで入手。

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しつこく競ったおかげで、音源1枚に使った金額としては生涯最高になってしまった。しかし世の相場はその倍近くからなので文句はない。思い入れも深く好きなアルバムだし。
シングルカットされている"Black Lodge"がLPでは省かれていることを全然知らなくて、どんよりメロウなこの曲がないとB面はやたらハイテンションに駆け抜ける流れとなり、アルバム全体の印象もちょっと変わるのがおもしろい。この1曲だけアナログで聴けないのは悲しいので、別途購入した10インチシングルと一緒に写っているのが上の画像というわけでした。

ちなみに"Black Lodge"はタイトルのとおり「ツイン・ピークス」にもろインスパイアされていて、デイヴィッド・リンチ本人からも「作品の異常性をよく表している」とお墨付きももらっている、とのくだりを昔ヤングギターかBURRN!のどっちかで読んだ。この頃のメタル/グランジ界ではよく陰鬱なトレモロギターが入っていたり、ビデオクリップで夜の森や赤い部屋が映ったりと、「ツイン・ピークス」の世界観に感化された痕跡が非常によく見られる。いずれこれについてもまとめたい。

「HEAVEN AND HELL」で実証、欧州盤とUS盤の音質差

メタラーならアナログサイズで持っておきたいジャケ大賞、BLACK SABBATHの「HEAVEN AND HELL」。
2枚も持つつもりはなかったんです。(これはさすがにカブッてる感覚がある)

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80年代前半のメジャーレーベルリリースであっても、このへんのメガ名盤の輸入盤LPはなかなか見かけないうえにけっこう値が張るため、店頭で自然に出会うのを待つのはあきらめて、先にオランダ盤(右)をDiscogsで購入。しかし盤もスリーブも状態が悪い。キズ起因の消せないブチノイズが多いし、さすがにもう少しコンディションのいいものと買い替えようと思って、数週間のヤフオク警備の末、きれいなUS盤を手頃に発見し、購入。

せっかくだからと聴き比べてみたところ、マスタリングが全然違います!なので必然の2枚持ち。

US盤は、96年Castle版CD(リマスター)と比べると、おおむね近い表情をしている。これの高域・低域を派手にしたのがリマスターCDという印象。
ちなみにこの「BSK3372」というマトリックスナンバーの品は、US盤の中でもちょっと評判が良いらしい(そのへんの海外掲示板調べ)。

オランダ盤はというと、リマスターCDやUS盤LPとは明らかにバランスというか中高域の表情が違う。全体的に膜1枚剥がしたような、ツヤッとオープンで明るい印象。かつ低音とのつりあいも不思議と取れていて、ペラペラ軽いわけでは全くない。これまた海外サイトを調べてみると、このアルバムのオランダ盤最高説は定説のひとつとしてあるっぽい。
これはプレス工場の作業者の裁量なのか、USと欧州で戦略的に色付けを変えているのか、マスターの世代の問題なのか。聴く分には凄くいいんだけど、工業製品としてこの違いはブレが過ぎるのではないだろうか。

輸入盤CD買い替えシリーズ

わたしは輸入盤が好きなので、昔何も考えず買ってしまった日本盤を計画的に買い替えています。

メタルが最も迷走していた90年代、忠誠深いファンが残っている日本と、グランジづかないとやっていけない(実際はメタル畑出身というだけで全然やっていけてなかった)アメリカ市場とのはざまでどっちにも振り切れず、日本盤・海外盤で収録曲を変えてくるというケース度々があった。TALISMANの「HUMANUMAL」、DOKKENの「DYSFUNCTIONAL」、曲じゃなくてバンド名を変えてしまったHAREM SCAREMの「RUBBER」などと並ぶ代表例がこのBAD MOON RISINGの「OPIUM FOR THE MASSES」。

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どっちかにしか収録されていない曲がまた捨て難い出来だったりして、2枚持ち一択。

ANNIHILATORの91年までのデモやバージョン違いトラックを集めた編集版「BAG OF TRICKS」。

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コアなファン以外はスルーして然るべきマニアックな作品だけど、ちょっとでもファンなら持つべき充実度。ジェフ・ウォーターズの完璧主義がデビュー時から徹底して一貫していて、デモバージョンといえど中途半端なサウンドプロダクションのものが一つもない。ついでに演奏も全然本番クオリティ。そして耳慣れたアルバム収録曲が別のシンガーによって歌われているテイクが多く収録されていて、これは本当にたまらん。

少なくとも名古屋じゃ意外と見かけない、RAGEのマンニ・シュミット在籍時代後期作の輸入盤。

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この時期の作品がRAGEの代表作だと思っているのだけど、「THE MISSING LINK」が今ではNOISEじゃないレーベルから再発されたりして微妙にレア化傾向にあるなんて信じられない。今のファンは"Refuge"で泣きながら拳を振り上げないのか?しかしこの絵ヅラのアンドレアス・マーシャル全開っぷりよ。

いつか買うと思ってるうちにまさかの高額レア品になってしまった、CONCEPTIONの大名盤3rd「IN YOUR MULTITUDE」の輸入盤。

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日本盤なら実店舗でまだまだ普通に落ちてるのだけどなあ。輸入盤はよほど数がないらしく、ネット物色でもおいそれとは適正価格で見つからなくて、確かAmazonマーケットプレイスで海外業者のお世話になりました。(Discogsで高止まりな品もマケプレだとまぐれで安いときがある)

以上でした。