2021/05/09

卓自炊:パッケージに屈しない創造的でレスポンシブな日常

何か書こうと思ったときに節操なく書き込める場として復活したこのブログなので、一か月ぶりの更新でも気にしない。

いきなりですが、フィジカル出社をして日々のお勤めをしている方々、昼食はいつもどうしているのでしょうか。
論評じみたことを書く時くらい誰にへりくだってるのかよくわからん丁寧語はやめようと思って脱・ですます調をしてみたものの、論評でも何でもない話題で語調のブレが生じる件についてはお見過ごしください。
退社までの腹が持ち堪えられればよいだけの平日昼、一人で食べる奴なんているの?みたいな空気もない職場なら、食べるものは何でも良いのだけど、手頃なオフィス弁当が近くで売られているでなし、最小限系デフレチェーン店舗や丸亀製麺もスッと行ける距離にない、ワンコインランチを提供する店も無く、あるのはコンビニとスーパーだけ、弁当持参は準備の手間等々によりナシで...という条件に当てはまる都市部の勤め人は、それなりの割合でいるのでは。

何でも良いとはいえ、どうでもいいものに出費はしたくない。出来合いの弁当は上げ底偽装、食べ応え担当が揚げ物ばっか、生鮮品に対する添加物等々、警戒すべき要素が多すぎる。パンで毎日満腹になっていたら糖質(炭水化物由来)過多で確実に太る。即席麺の海原は広く深いけど、プラスワン選び次第では成人病エリート製造機になってしまう。
職場にしれっと使える水場がある、電子レンジがある、デスクの収納に余裕がある、人目に晒されづらい(席が壁際である、パーテーションがある等)、これら全てに該当し、コンビニでなくスーパーが近くにある(または生鮮食材を扱うコンビニがある)のなら、あなたは卓自炊をすべき。

「宅録」に類する表現として数年来勝手に提唱している「卓自炊」、言い出した当人としては「耐熱容器、食事用ナイフ(ハンバーグを切るようなやつ)、電子レンジ、お湯があればできる、未加工食材と加工食品を取り混ぜた半自炊食」の意味で使っています。基本的な構成は次のとおり。

1. 受け皿食材

ゆであげうどん1袋もしくは豆腐1丁。スーパーのPB品で30~50円前後で調達可能。
ゆであげうどんはレンチン時にちょっと水分をかけてほぐすと、効率よく均一にふっくら加熱される。
豆腐は加熱する場合2~3分を要するため、職場でレンジ待ちが激しい場合は最後尾を買って出るべき。木綿と絹ごしは食べ応えがかなり違って、木綿は相当ドッスリ来るので注意。
即席麺は創意工夫の土台となる限りにおいてOKとする。焼きそばの表示カロリーは湯切りで流れる油分を含むため摂取量はそれより少ないことを覚えておくべし。
夏場はところてん(三杯酢つき)も良い。2連パックを1食として消費するとけっこう満腹になる。流し台で水切りをするのはちょっと好奇の目が気になるという場合は、水ため用と食べる用で2つの器を持っておくとよい。

2. 味の土台(1次第で省略可)

うどん・豆腐のお供。即席麺やところてんの場合はもちろん不要。
レトルトカレー、レトルトパスタソース、ソースごとパックされたレトルトハンバーグ、棒棒鶏のたれ、具材入り麻婆豆腐の素(2~3人前用のものをゆであげうどん1袋に使うと濃すぎるので注意)、お湯で割る1食分のラーメンスープ、夏場は冷やし中華のたれ、名古屋在住ならお湯で割る1食分の味噌煮込みの素など。贅沢しなければ60~120円程度で収まる。
気兼ねなく使える給湯設備があるか否かで選択肢の幅は変わるかもしれない。

3. 1品おかず

店内調理された揚げ物類、チルドのシュウマイやワンタン(餃子もレンジ調理可能でじゅうぶん食べられるがニンニク要注意)、および加熱なしで食べられる野菜類(トマト、パプリカ、アボカド)など。ここも100円程度に収めたい。
とにかくアボカドが最強。プックリふくよかで正円に近い形のものは種が大きいことが多いため、細長いものを選ぶが吉。
トマトは焼きそばと相性が良い。
欲を出して玉ねぎ(生食しやすい新玉)やキュウリに行くと、食事用ナイフで切るのに難儀して指を怪我したりする。パックリ切れた傷は、中に染みないように患部を閉じながらアロンアルファ等の強力瞬間接着剤で外からフタをするとバツグンに治りが早い。
職場のゴミ箱で生ゴミが匂うのは卓自炊生活の持続可能性を損ねるため、生野菜を使う場合はビニル袋に包んで持ち帰り、非可食部分はそれに入れて口をしっかりしばって捨てる。
受け皿が味噌ラーメン・担々麺などであれば、チルドシュウマイをカットして中の肉を露出させた状態で沈めると味の奥行が増す。シュウマイではなく肉とちょい皮として捉えるべし。
揚げ物の場合、かき揚げは素材こそ野菜だが、表面積に比例する含有油分量ゆえにカロリーが無駄に高い。アジフライやうずら玉子フライなどでタンパク質摂取を心掛けるのがよい。

ここまででおおよそトータル200~250円程度。予算に問題がなければ2品目のおかずを足すもよし、甘いものでフルコース化するもよし。わたしは後者です。せっかく食事本体部分で健康に気を使うのならば、甘いものの栄養素についてもある程度は吟味したい。

(任意)甘いもの

炭水化物は最終的に糖となる点に留意すべし。甘いパンは糖+糖。プリンは卵なので善なる食べ物(ただしプッチンプリン寄りでなく、タマゴ感の強い焼きプリン的なものがより良い)。シュークリームも変なものでなければ乳製品と卵なので比較的正義度が高い。あんこの原料の小豆はデンプンとタンパク質が2:1であるので、何とかフロランタン風パンみたいなものよりは正義度が高いと思われる。
受け皿食材が豆腐なら糖祭りを少し許すなど、その日のお買い得を柔軟に取り入れて総合的・俯瞰的にバランスを検討する。

最後に、実際よくやる組み合わせ例をいくつか。

  • ゆであげうどん33円+レトルトカレー98円+うずら卵フライ串98円+エクレア見切り品80円=計309円+税
  • 豆腐48円+麻婆豆腐の素特売77円+チルドシュウマイ特売77円+よもぎ大福特売68円=計270円+税
  • カップヌードルトムヤンクン158円+アボカド98円+小さめチーズクリームブッセ58円=計314円+税
  • ソース焼きそば98円+トマト98円+焼きプリン95円=計291円+税
  • 2連ところてん118円+アジフライ98円+クリームあんドーナツ見切り品80円=計296円+税

+100円で足した甲斐のないサラダだったな...みたいなものに踊らされるよりはるかに満たされます。お買い得品を柔軟に取り入れることで飽きのこないバリエーション、対価以上のフルコース。こうした平日の創意工夫をしてこそ胸を張って機材や音源を買っていけるというもの。


ついでに

夕飯、入浴、ひと息ついてちょっと何かやる、というタイミングでコーヒーを淹れてしまう人、そのお供に何か...といって板チョコをパキパキやったり箱アイスを毎日1本ずつ消費したりみりん揚げイカせんべいをつまむ手を静止できなくなったり、そんなのが習慣化してないでしょうか。私はしていました。
ちょっと善行感があると思って朝食に食べるようなシリアルに手を出していた時期もあったけど、正味のところちょっと食物繊維豊富な糖なので、間食にはよろしくない。

現在は「ヨーグルト+ミックスナッツ+ココアパウダー+α」に落ち着き、習慣化してからはいっとき増えて落ちなかった体重がやや減ったような。(実は病気してるとかじゃないといいけど)
このようなものです。

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ヨーグルトはむろん無糖のプレーン。浮いてきた乳清を日々飲みながら使っていくと、数日かけて少しずつこってりとしたクリーム状に近づいていくのでおすすめ。
ミックスナッツはクルミ、アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツの4種の、塩味で炒ったりせずそのまんま剥いてあるやつを使っていますがここはお好みで。皮付きアーモンドは認知症予防にもいいらしい。
ここへ、その時々で冷蔵庫にある乾燥バナナチップ、レーズン、冷凍ブルーベリー、各種ジャム等から少量ずつ適当にピックアップして、カタマリ状のものは細かく割って乗せる。板チョコ・粒チョコなども許容(微量でも強力にブーストがかかる)。
最後に、盛ったヨーグルトの表面がおおむね隠れる程度にココアパウダーをかぶせる。ミロも可。完成までにわりと工数がかかり、その間に高まる「これ食べたい」の渇望は「冷凍庫にパキシエルまだあったな~」の引力に匹敵します。

糖に関わるものはすべて自らの手で注ぎ込むため、気が確かならば自制心がはたらいて、己の裁量で糖分過多を防ぐことができるのもよいところ。一皿完結で潔く食べ遂げたらアンコールしない。どうしてもの場合は追いナッツで。

何を勧めてるんだかよく分かりませんが、「自分の生活は自分で選ぼう」ということです。